森田鰹節

大阪市中央卸売市場内にある明治創業の老舗、森田鰹節株式会社の公式サイトです。

大阪市中央卸売市場内森田鰹節株式会社のうまみのロゴ

 人の目で見る、鼻で香る、舌で味わう、この三つを原点に日本料理はつくられます。うどん、そばの場合、この鼻で香り、舌で味わうという部分が一層強調されます。
 かつお節(ダシ)の“うまみ”は、一般的にイノシン酸と言われていますが、実際は他のアミノ酸などとの複合的な味わいから成り立っているようです。ダシの旨み成分は、エキス分と呼ばれる可溶性固形分に含まれているアデニル酸やイノシン酸といった核酸関連物質、グルタミン酸などの遊離アミノ酸が挙げられます。さらに燻煙による香気成分が味覚に影響しています。イノシン酸の含有量が多いからといって、それが即おいしいダシであるとはいえないようです。
 イノシン酸の働きは、グルタミン酸のような旨みアミノ酸に作用して、その相垂効果により旨みを発揮するところにあるようです。科学的指標としてよく用いられるのは、水分含有量、粗脂肪分、エキス分などがあり、ある程度のかつお節(ダシ)の品質を表しています。しかし、私ども鰹節業界でも色々と研究してきましたが、おいしいと思われる削り節からとったダシが、イノシン酸の含有量が多いという結果が得られませんでした。又、ダシの旨みは同じサバ削りでも一品よりも多品を混合することにより、それぞれのサバ削りの長所を引き出し、おいしいダシを追求できるようです。
 “うまみ”を最終的に判断するのは、人の感覚による官能評価が的確であると思われます。